内緒の告白


太くてゴツゴツした指。
不器用で無骨で。でも暖かい。それは一甲の人となりを表しているようですっごく愛しい。
アレの時だけ無駄に器用なのが悔しい。

筋肉に覆われた腕。
守ると決めたものを決して傷つけたりしない、と力強く優しく包み込む。
その腕の中は気持ちいいけど、オレ、守られるだけの存在にはなりたくない。
いつかお前と対等に、そして休ませてやれるだけのオトコになるんだ。

広く大きな背中。
目を逸らしたくなるようなヒドイ傷跡がある。でもそれも全部お前の歴史だから。大きな痕にも小さな傷にもひとつひとつに口付けを落として愛すんだ。
敵だった頃、お前の背中からは敵意しか感じられなくて。悔しかった。
サソリで苦しんでた頃は拒絶のみだった。悲しかった。
今は…背中を向けられてても信頼や暖かさがちゃんと感じられるぜ。

無口な唇と饒舌な瞳。
厚くもなく薄くもなく、ちょっとカサカサした唇は必要以上に言葉を紡がない。(時には必要なことも)
でもその所為か一言一言に重みを感じる。あ、でもイヤミだけは勘弁してくれ…。
無口な唇の代わりに、お前の目って正直だよな。
強がってるのも、拗ねてるのも、寂しがってるのも、憤ってるのも、喜んでるのも、哀しんでるのも。ポーカーフェイスを保ってるつもりだろうけど、全部全部目が語ってるって。…オレ以外にはそのポーカーフェイス、まだ有効みたいだけどな。



こんなにもこんなにもお前のこと大好きなのに、
お前、まだ疑ってやんの。
「いつか大空に羽ばたいていってしまうのだろう?」って。
ばっかだなぁ。
たしかに飛び回ってお前に心配かけてるけど、ムチャが出来るのは帰ってくる場所があるからに決まってるだろ。
オレの帰る場所は、休める場所はお前の傍だけだって。
何度言えばわかるんだ、この朴念仁は。

言葉は時折ウソになるから。

想いをキスに溶かしてお前に注ぎ込む。

…大好きだよ、一甲。



 終 





10000HIT ありがとうございます!
こんな更新の遅い稚拙なサイトに遊びに来てくださった皆様、お声をかけてくださった皆様に愛を込めてvv

…ということでこの作品、フリーにします。
お持ちのサイトに載せてくださるという心の広い方がいらっしゃいましたらどうぞお持ちください。(BBSかメールでお知らせくださるとありがたいです)


2004.07.15  朝比奈朋絵 



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