困難な恋人


「メリークリスマス。はいこれ!」
満面の笑みで差し出されたのは赤と緑と金が絶妙なバランスで配色された包み紙。一目でクリスマスプレゼントとわかるソレ。
「? あぁ、そうか25日か」
「忘れてたのかよ!もぉ!」
クリスマスは二人で過ごそうって言ったのは一甲なのに。一甲はそんな約束も覚えてなかったのか、と残念に思うと同時に浮かれてた自分が恥ずかしくなって。
鷹介はちょっとだけ俯いて唇を尖らせた。
「膨れるな、冗談だ」
くしゃっと髪を撫で頬に手を滑らせ顔を上げさせる。
「メリークリスマス」
口づけと一緒におちてきた優しい囁きに鷹介もうっとり目を閉じた。


「で、プレゼントは?」
膝の中に鷹介を抱えて貰った包みを開ける一甲を期待に満ちた目で見上げている。
「………あ」
「あーッ、忘れてんじゃん、やっぱりーッ!!!」
PSP欲しいって言っただろーッ!と駄々っ子のように頬を膨らませる鷹介に一甲はこっそり溜め息をつく。 …お前にゲーム(らしい)など渡したら、一晩中夢中になって俺の存在を忘れるだろう。
愛が足りないーッ!と怒る鷹介を押し倒し、ニヤリと笑う一甲は心底楽しそうである。
「そうか、足りないか。なら思う存分教えてやる」


その後スズメが鳴き始める時間まで寝かせてもらえず、日曜日は一日中ベッドの住人。
怠い身体はたしかにツライけど大好きな相手を独占できるのは嬉しい。

「でも、プレゼントくれるまでえっち禁止!」


現在入手困難なソレを手に入れるのはいつになることやら。
きっと年内はムリだろう。



 終 





…遅くなりましたがクリスマスSSSです。ホント短い凹
一甲さんはこの後必死に某電気街を駈けずり回ることでしょう。でもありませんよ、お目当てのモノは(笑)


2004.12.26  朝比奈朋絵 






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送